遠雷（暗雲）



午後の陽射しが優しい芝生の上

あなたは私のひざまくら

小鳥のさえずり聴きながら

このまま時が止まることを望んだ



けれどあなたは遠い目をして

「時は流れて行くものだよ」

と、ぽつりと言った

その時あなたが見つめていたものが

私には見えなかった



変わるものなどないと思っていた

この春風も

いつかは木枯らしになるというのに・・・



葉ずれの音が

「この愛にも終わりはやってくるのだよ」

と ささやきかけた