独り言


言葉はあまりに悲しいね
人生はとても虚しいね
君は若くて可愛くて
とても陽気に笑うけど
僕はやっぱり明日からも
くたびれたままこの街で
独りきりで生きていくんだろうね

昨夜からの雪がまたこの街を包み込み
ただその白さだけが僕を慰める

（昭和５６年３月）




苛立ち


風の中に立ち
これでもかこれでもかと
顔に当たるみぞれに打たれている
何もかも忘れたいのに
この嵐のような風やみぞれさえ
今の僕には何の慰めにも
そして叱咤にさえならないのだ

どこまで流れるのだろう
このまま運命に身をゆだね
逆らうことなく生きていくのだろうか
やすらぎだけを追い求め
時の流れに飼いならされていくのだろうか

無意味に時間だけが過ぎていく
何をしてよいのかわからぬまま
いたたまれない焦燥感と
無味乾燥な諦めが
くるくる渦を巻きながら過ぎていく

せめて今降るこの雪が
この街をすっぽり覆い尽くすように
灰色に渦巻くこの思いも
真っ白に覆い尽くしてくれないか・・・

（昭和５６年３月）


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